カナヘビの飼い方概論
しばらく失踪しておりました。
文章を書くというのはかなり気合が必要ですもんね(言い訳)
というよりもTwitterが便利すぎてそっちばかり更新してるせいですね。
しかし一応公式のはてなブログのアプリ使ってるんですけど相変わらず文章書かせようという気のないUIですよね……
と、いうわけで今回は私の飼育しているペットの飼い方概論です。
分布としては世界中に分布しており頑強な種類が非常に多く、そして多くの種が比較的他の爬虫類に比べ小柄な種が多い。小型の種であるならば15cmくらいのものから最大種と言われているジャイアントガロティア(学名Gallotia stehlini)では90cmにもなる個体が存在します。
在来種
日本では北海道の一部地域にコモチカナヘビ
卵胎性(卵の状態でお腹の中で育てる種類)のカナヘビという絶妙に変なカナヘビ
爬虫類の中でも最北端に住むためそのような進化をしたと予想されてる(本当なのかは微妙)
分布としては北海道北東部からスペイン北部までとめちゃくちゃ広い。
大きさは最大でも18cm程度の小型種。小さい癖にお腹からベビー出てくるって素敵やん?
哺乳類の場合だと寒い地域に行くと大型になる傾向はあるが、爬虫類に関してはそのような傾向はない残念。
卵胎生です、とか言っておきながら亜種によっては卵生の亜種もおり、コモチとは……となるカナヘビ。
なんならカナヘビですらない←
カナヘビですらない、と言うのは流石に言い過ぎですが、元々学名がLacerta viviparaといい、viviparaと言うのはコモチという卵胎生の生体によくつく学名。
但しWikipedia参照するとZootoca viviparaになってる。
これは最近になって変更されていてReptile Datebaceによると
1993年にやっぱ違くね?カナヘビじゃねーだろって事で現在の学名になったけど、解剖学的にはどう考えてもカナヘビだろって言われて(妄想)lacrtaに戻ったりよく分からんカナヘビ
取り敢えず今はZootoca viviparaで落ち着いてる模様。
個人的にだがロカリティ別だけど、揃えてラインブリードしたい。
飼育方法はまぁ最北端に住んでるカナヘビなのでまぁ超強健だよねって感じの飼い方で多分OK。
めちゃくちゃ広い分布の癖に全然ショップに入らないのでキレそう。まぁ地味だもんね分かる。
なお日本においてはサロベツ原野に生息してるため原則採取不可。学者になって研究用で採取するしかない。割とマジな話。
オファーがあればお金は積む気です。
日本のコモチカナヘビは実は帰化した種じゃない?って研究もあるけど結論はついてない。
もし帰化した種じゃない場合とてつもなく胸熱なんですけど。
一応国内在来種のアオカナヘビらと同じクサカナヘビ科。本当かよ。
世界的に見ると朝鮮半島などにも生息しているため実はそこまで珍しい種ではない。らしい。
そして特に面白いTIPSもないという……
対馬ロカリティであればペア飼育はしたみたい。
まぁそれも上記コモチカナヘビと同様に採取不可能な可能性は高い(調べた限り特別記述なし)
飼育方法も大陸の強健カナヘビとあまり変わらず飼育できる、っぽい。らしい。
石垣島などに分布している現在現地での採取が原則禁止である日本最大種サキシマカナヘビ
写真協力(@shimizu_tan)
後述するアオカナヘビとかと何が違うんだよという話だが、鱗が違うよう。こういう話よく聞くよね……特にワイルドの同定時……
まぁそもそもワイルドでの採取は不可のためCBのみしか出回らない。
現地でも採取不可能なくらい個体数は激減していて環境破壊の影響をもろに受けてる種。
割と色々ロカリティ分けしてるところもあるがいかんせん流通量がそこそこ多いため(特にドイツブリーダー好きらしいでこいつら)ロカリティ分けはそれなりに難しい。
最大種とは言っても30cmで、かつ尻尾が3/4ほど占めるため意外と大きさは感じない。
飼育方法としては、CB個体であるならば樹上性のため下げても20度は切らない方がベター
食生は昆虫食メインの雑食性。大体果実系大好きなんだよねこういう奴らは。
奄美群島などに生息していてロカリティ(地域個体群)が豊富なアオカナヘビ
カナヘビでは割と珍しい気がする(他にもいたら教えてください)オスが地味なブラウンでメスがパッキパキのグリーンに発色する面白いカナヘビ。大体オスが綺麗な種類が多いのにね。
ただこれもロカリティによって異なり、沖縄本島のはオスがブラウンな色味だが、奄美諸島のはオスも緑に発色する、らしい……
ロカリティに分けて飼育するのがこれもまた面白い種。
ただ現地でサキシマカナヘビ同様に生息数が激減してるためほぼ見られない、らしい。沖縄行った時フィールドワークしたいですね。
飼育方法はサキシマカナヘビ準拠で大丈夫な、はず。(自分で飼い始めたら追記しますね他のも)
2016年より国内希少野生動物種に指定され飼育捕獲譲渡が一切禁止になってしまった宮古列島固有種のミヤコカナヘビ
2016年当初より絶滅危惧ⅠAから絶滅危惧ⅠBには変更がされているが予断は許されない状況。
人為的な環境破壊によってほぼ姿を消してしまったカナヘビ。やはり現地の人も小さい頃は見てたが、が口癖。
こう言うの聞くたびに種としてペットとして消費されるだけと言うのはかなり不毛なのではと言う気分になってしまう。
話はずれたが表に出てるものとしてはCANDLEという兵庫のショップの店長が細々殖やしてはいる模様
*捕獲譲渡販売が禁止されているだけで2016年以前からの飼育は問題ない
環境回復して販売再開を望む種である。
飼育方法は多分サキシマカナヘビと同じだと思う……いやこれに関しては正確な情報手に入れ次第書きたいが……
そして広く分布しているニホンカナヘビ
写真協力(@shimizu_tan)
噂によると飼育下での長期飼育がとても難しいらしい。
飼育下寿命が妙に短い。(出典は伝聞なのでサンプル数が欲しい話)
冬は保温なし飼育で寝かせるのが長生きのコツ、らしい。
国内ではほぼ全ての地域に生息しており、割と田舎行くとみられるカナヘビ。
但しニホントカゲとぱっと見同じに見えるためよく間違えられる不遇のカナヘビ。
因みに違いはニホントカゲは幼体時尻尾が青く(これは尻尾を目立たせて尻尾を切って逃げるため)キール(ウロコ)が立っているのが特徴。
ニホンカナヘビとぱっと見で見比べるためには尻尾の長さが一番わかりやすく、カナヘビの方が圧倒的に長い。
北海道でも生息していて、かなり高地にも生息しているため所謂超強健種。
以上6種が日本のカナヘビです。
自らの飼育環境下での最大と最小
私が飼っているもので最小種であるダルマチアトガリハナイワカナヘビ(Dalmatolacerta oxycephala)
この種であれば大体15cm〜20cmほどと言われている。言われているというのは飼育実績があまりにも少なく情報がほとんどないせい。
最大種であるならばミドリガストロカナヘビ(Gastropholis prasina)
こちらは最大70cmくらいにはなるが、やはりカナヘビ2/3が尻尾なくらいなので意外にも大きさは感じない。
カナヘビの特徴としてはツンと尖った鼻で、かつ体長の殆どが尻尾であることはいわゆるトカゲとの大きな違いです。
飼い方
ケージの大きさ
基本的には先述どおり尻尾が殆どを占めるため最低限の大きさはその種の体長程度でも飼育は出来る。
ただし見てて楽しい飼育方法としては体長の3倍程度のケージを用意することがベター
ライトの必要性
ほとんどの種がバスキングのためのライトとUVライトが必要。
ただしとてつもなく頑強なためなくても飼育自体は可能。個人の所感だが、大型種であればあるほどUVの必要量は多そうではある。
但し非常に強いUVが必要な種類は少なく私はマイクロサンにてすべての飼育を行なっている。
餌の頻度
小型種は当たり前だが比較的頻繁に、ヤングの時には毎日食べ残しがないか確認し追加するほうが良い。
アダルトの個体では私は3日に一回程度あげてるが、一週間に一度食べるだけでも一切問題ない。
とにかくカナヘビは餌切れにはめっぽう強い
給水頻度
ウェットシェルターを入れて水を入れておけば基本的に湿度を必要はない。
止まっている水も飲むことはあるが、基本的には毎日壁に向けて霧吹きを行うのがベター。
ケージ内が蒸れない程度に行う。
しかし、水切れにも強いためなんなら餌の水分のみでもそこまで問題ない。とにかく頑強。
水入れは入れておくと体を冷やす目的で入っていたりするが水はほとんど飲むことは少ない。
温度
ベビー:25度〜30度
アダルト:20〜30度
正直にいうと餌をちゃんと切って入れば凍らなければ死なない種があまりにも多い。
そのおかげで世界中に分布しているわけですが…
アダルトは寒暖差をしっかりつけてやることが状態を良くするコツなのではと個人的は思っている。
樹上性のカナヘビに関してはその限りではないが。
餌
肉食よりの雑食性
基本的にはほぼ餌と市販されているものは食べると思ってもらって構いません。
但し生体によって好みはかなり変わるためバランス良くなんでも上げることが大事。
基本はコオロギが食べやすくベター
個人的にだがカナヘビはかなり観賞用としては非常に初心者向けの個体達であると思います。
爬虫類で最も有名であろうレオパードゲッコーに関しては飼育スペースは狭くて大丈夫、ライトの必要性はない、触ることができる、と飼いやすい3拍子が揃っているため流石に勝てないが、多少ものぐさに育てていても(なんならものぐさなほうが)いいのは爬虫類を飼う上ではとても私は重要だと思っています。
日本にも固有種がいることより比較的にみじかな種ですが非常に綺麗な整体も多く存在し(大体オスだが)コレクション性の高い生き物たちであることは間違いないです。
いわゆるペットリザードたちと異なり人馴れはしますが基本的には触るような(そして触りづらい笑)種類ではないですが、いわゆる爬虫類のワイルドな側面を簡単に得ることが出来る、かつ比較的省スペースで飼育できるというのは日本の住環境を考えるとかなりオススメな子達です。
何か追記することや誤っていることがあれば訂正いたしますので気軽にコメントください。
今回は主語が「カナヘビ」のため多少例外なことは省きましたが、次回以降は私の飼育している子たちの紹介および飼い方をしれっと上げていく予定です。
ではでは
[2/26 国内在来種カナヘビについて追記]
[5/21カナヘビの画像追加]